【映画感想】『レディ・プレイヤー１』【※ネタバレ含みます！】
スティーブン・スピルバーグ監督最新作、観てきました！
スクリーンを駆け巡る、デロリアンに、ガンダムに、メカゴジラに感動！
そして、最後は切なすぎるメッセージに「ウッ」とハートを一突きされました・・・。
作品の概要
＜あらすじ＞
貧富の格差が激化し、多くの人々が荒廃した街に暮らす2045年。世界中の人々がアクセスするVRの世界「OASIS（オアシス）」に入り、理想の人生を楽しむことが若者たちの唯一の希望だった。そんなある日、オアシスの開発によって巨万の富を築いた大富豪のジェームズ・ハリデーが死去し、オアシスの隠された3つの謎を解明した者に、莫大な遺産とオアシスの運営権を明け渡すというメッセージが発信される。それ以降、世界中の人々が謎解きに躍起になり、17歳の孤独な青年ウェイドもそれに参加していた。そしてある時、謎めいた美女アルテミスと出会ったウェイドは、1つ目の謎を解き明かすことに成功。一躍オアシスの有名人となるが、ハリデーの遺産を狙う巨大企業IOI社の魔の手が迫り……。
引用元：映画.com
『インディ・ジョーンズ』シリーズや『E・T』のスティーブン・スピルバーグ監督の最新作。原作は小説「ゲーム・ウォーズ」。映画・音楽・アニメ・ゲームといったポップカルチャーあふれるVR世界「オアシス」を舞台に、少年ウェイドと仲間たちの冒険が描かれます。
オタクの理想郷
サブカルチャーがどれだけ自分を助けてくれたか、そして、夢を見させてくれたかを再認識する作品でした。映画・アニメ・ゲーム・音楽は、いつも僕を楽しい冒険に連れ出してくれていたんだな・・・。勉強にもスポーツにも熱中できなかった僕には、サブカルチャーが見せてくれる世界だけが、自分の居場所でした。
本作の主人公ウェイド・ワッツは正にそんなやつです(笑)。現実では何も良い事はないけど、VR世界｢オアシス｣ではイケメンの姿で、愛車のデロリアン(もちろん『バック・トゥ・ザ・フューチャー』仕様！)を乗り回す。未来はサブカルチャーとこんな付き合い方になるのかもな、と若干の嫉妬を覚えました。
この世界が本当に最高で。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『ジュラシック・パーク』、『ターミネーター２』、「スター・ウォーズ」シリーズ、「機動戦士ガンダム」、「ストリートファイターⅡ」、「ゴジラ」シリーズ、「マインクラフト」などなどなど（拾えていないもの多数）実在の作品の数々が登場するの、本当に｢凄い｣の一言。ガンダムとメカゴジラが戦うって、冷静に考えて異常事態なのでは？
そんなコラボ、こども部屋（かソシャゲ）でしか実現しないですよ！
ただ、映画・アニメ・ゲームがごちゃまぜになった｢最高の理想郷｣が、ウェイドの唯一の居場所というのはかなり切なかったです。現実で孤独だからこそ、非現実に入り浸る姿に、過去の自分を重ねてしまいました。オタクこそ、ド共感できる世界観だと思います。
それでもやっぱり・・・
そんな「オアシス」を舞台に、創設者の残した謎を巡る冒険と戦いが展開していきますが、物語としての目新しさは特にありません。 スピルバーグ作品や過去のジュブナイルものの焼き直しとも言える展開だからです。でも、それでも、おもしろい。
それはやっぱり、過去に経験した｢楽しい｣を呼び起こさせる構造だからかもしれないですね。「あ、『インディ・ジョーンズ』ぽいな」とか、「ガンプラ作りまくったなぁ」とかね。もちろん、少年の成長にも、自分の若いころを思い出しますし。
ただ、今までのジュブナイルものと大きく違うのは、仮想現実の世界が話の中心だということ。しかも、創設者が残した謎も、その答えがまた切ない。「現実で実現できなかったことを、やり直したい」という思いがひっそりと見えてきます。
そして、最後の関門を突破した主人公に、創設者の化身はこう語るのです。
「おいしいご飯を食べた時にこう思った。現実よりリアルなものは無いって」
現実と仮想現実はあくまで別物だ、って叩きつけてくるんです。創った人が。当たり前のことなんだけど、こんなに破壊力のあるセリフある？劇中のウェイド同様に、涙で座席を濡らしましたよ。だって、「いつまでも、オタク文化に依存してられない」という、当たり前だけど、自覚したくないことじゃないですか。いきなりズブッと心臓を刺されて、驚きました。こんなに「オタク文化最高！」って作品で、それ言っちゃうんだ！っていうね。
めっちゃ残酷だなと思ったけど、これほどオタクに対して愛あるセリフもないんだけどね。ちゃんと現実を見せてくれるから。スピルバーグパイセン！あざっす！
そんな夢も現実も見せてくれる、オタクが色々な意味で号泣する作品でした。
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