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「負い目」を感じながら生きる:映画『マグニフィセント・セブン』の感想

急に今までのものと文体変わってますが、ご了承を。

ネタバレもあるので嫌な方はお読みにならないように。

 

本作『マグニフィセント・セブン』は、原典『七人の侍』『荒野の七人』を骨子としながら、現代版として取り入れられた新たな試みが評価できる作品だ。

例えば、前2作では「食べ物」が主の目的として農民たちの村が襲われるわけだが、今回は違う。

「金(”かね”でも”きん”でもある。)」だ。

多くの人が「食べる」事自体に困らなくなっている現代では、「金」の搾取の方がよほど深刻に感じられるのではないだろうか。

また、7人に「半人前」がいないというのも新しい。
これは7人のキャラクターを掘り下げる上で、とても評価できる点だ。

個人的はクリス・プラット演じるファラデーに「どこかに目をそらさせる」という行動を何度もさせ、最終的にもしっかりと活かされているところが大好きだ。

そして生き残った3人、黒人・チザム(デンゼル・ワシントン)は結局自分の手での復讐も達成できず、メキシコ人・ヴァスケス(マヌエル・ガルシア=ルルフォ)は結局賞金首のまま、インディアン・レッドハーベスト( マーティン・センズメアー)は白人からの畏怖の目を実感してしまう。

何か「負い目」を持たせながら、彼らを生かすのは、前2作の「農民たちの勝利だ」同様に考えさせられる幕引きではないだろうか。

その他、イーサン・ホーク演じる”グッドナイト”と、イ・ビョンホンのビリーのブロマンス的な男の友情、信心深いジャック役のヴィンセント・ドノフリオ、ヘイリー・ベネット演じる未亡人の強さも見逃せない。

アクション面でも馬の躍動感などは「荒野の七人」よりもはるかに「七人の侍」的で、迫力がありこちらも見逃せない。7人の戦い方もそれぞれが異なった特技を見せつけるので、アクションだけで観ても面白い。

映画館で観るべき一本。