週末キーボーディストの備忘録

休みの日に鍵盤をときたま弾く人のブログです。

ドラマ『バリー:シーズン1』の感想

こんにちは。週末キーボーディストです。

ドラマ『バリー:シーズン1』を観終わったので、
その感想を残しておこうと思います。

『バリー:シーズン1』とは?

アメリカの放送局HBOにて放映されたブラック・コメディ。主演は『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』のリッチー(大人時代)を演じたビル・ヘイダー。演劇に自分の居場所を見出した殺し屋の男の悲喜を描く。シーズン1は全8話。

孤独を感じていた殺し屋のバリーは、ひょんなことから演劇に取りつかれ、人生の再起を図るために演劇クラブに参加することに。次第に認められるようになったバリーは、俳優になりたいと考えるようになるが、裏社会はバリーを放っておくはずがなく…。

引用元:U-NEXT

感想本文

欲張りな人にオススメします。いうなれば本作はコメディ×クライム・サスペンス×人間ドラマ。複数のジャンルを一気に楽しめます。

メインラインは大きく2つ。

1つは演劇学校に入学した殺し屋バリーの人間ドラマ。元軍人で心に大きく傷を負った彼が、演劇学校の先生や仲間、そして演劇の楽しさに触れながら徐々に人間性を取り戻していくというライン。殺し屋を一般人の中に放り込んだら?というギャップが楽しい。

もう1つは裏社会のライン。バリーは足を洗うために外国人マフィアの依頼を受けていきますが、そのせいで状況が徐々に泥沼化。警察の捜査や、マフィア同士の抗争、さらには裏切りも発生。バンバン人が死に、予期せぬ方向へ物語を牽引していきます。

話が進むにつれてこの2つのラインが交差。「自分の幸せのために、人を犠牲にしてもよいのか?」という問いかけがバリーの強烈な葛藤とともに描かれていきます。自分が幸せになるための行動が、他人を不幸にしている?そんな事を考えてしまい、ゾクッとしました。結構メッセージ性が強い。

1話約30分とサクッと観られるのも集中力のない自分には嬉しかったです。さ、シーズン2も観るぞっ。

video.unext.jp

 

映画『イン・ザ・ハイツ』の感想

こんにちは。週末キーボーディストです。

今日は映画『イン・ザ・ハイツ』を観てきたので、その感想を備忘録的に記しておこうと思います。

映画『イン・ザ・ハイツ』とは?

リン=マニュエル・ミランダが手掛けた同名ミュージカルを原作とした作品。監督は『クレイジー・リッチ!』のジョン・M・チュウ。出演はアンソニー・ラモス、メリッサ・バレラ、レスリー・グレイスなど。日本公開は2021年7月30日(ちなみに全米公開は同年の6月11日)。ストーリーは下記引用をご参照くだされ。

ニューヨーク・“ワシントン・ハイツ”は、いつも音楽が流れる、実在する移民の街。その街で育ったウスナビ、ヴァネッサ、ニーナ、ベニーはつまずきながらも自分の夢に踏み出そうとしていた。ある時、街の住人たちに住む場所を追われる危機が訪れる。これまでも様々な困難に見舞われてきた彼らは今回も立ち上がるが―。突如起こった大停電の夜、街の住人達そしてウスナビたちの運命が大きく動き出す。

引用元:映画『イン・ザ・ハイツ』| 絶賛上映中

感想本文

とにかくミュージカルシーンの迫力がすごい。表現が正確かはわからないけど、ラ・ラ・ランド』のOP規模のミュージカルシーンが何度も繰り広げられる映画と思ってもらえれば良いと思います。あまりにも繰り返されるため、それが普通だと途中錯覚したけど、異常な映画でした(もちろん良い意味で)

一日に摂取してはいけない量のカロリーをとれる本作ですが、根底にあるのは「怒り」。偏見や格差が多くの若者達の夢を奪っている(また、奪ってきた)ことを何度も見せられます。かなり社会派な映画なんです。

それをミュージカルで語ることで説教臭くなっていないのはスゴい。ハッピーエンドに見えて根本的な問題は解決していないですし。だからリアル。一方でこれまでの世代の頑張りや子たちへの愛が少しずつ何かを変えていることも示す。これはお見事なんじゃないでしょうか。希望がある。

テイストは全く違いますが、ケン・ローチスパイク・リー、クレベール・メンドーサ・フィリオ作品を思い出しました。それでは。


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映画『犬ヶ島』の感想

こんにちは。

週末キーボーディストです。
映画『犬ヶ島』を観たので、その感想です。

 

 無抵抗な服従者たちが、立ち上がる

犬が先にあったのか、日本が先にあったのかわからないけど、日本で犬の話やるって、割とドハマリしている気がします。なんか、犬ってステレオタイプな「サムライ」っぽいと思うんですよ。忠義に厚いじゃん。飼い主=君主のために命張るし。やれって言ったこと全力でやるし。

今回のお話は、そういった関係性の中で、、一方的に弱者を虐げている者と、無抵抗に服従している者の話なのかなと。ブラック企業みたいな。日大みたいな。てか今の日本じゃね?みたいな。そういう意味で『七人の侍』の農民たちを思い出したり。

だからこそ、犬たちが恣意的に追いやられて虐げられているという状況から、反抗するために立ち上がるところに、凄くグッときました。ただ、犬たちも急に立ち上がるわけではなく、1人の少年がきっかけでして。

小林アタリという男

それが、小林アタリという少年。本作の悪役である小林市長の養子。

余談だけど、この「小林」というのは、東宝の創業者(小林一三)と同じ名字ですね。『七人の侍』のBGM使ったり、黒沢明作品の影響をとても受けていると監督も言っているし。本当に東宝社長から取ってるかもな。

アタリもアタリで『レディ・プレイヤー1』や『ストレンジャー・シングス』にも登場する、ゲーム会社の名前と一緒ですね。ちなみにアタリは、世界初のロム式(現在のゲーム機と同じで、複数のゲームを楽しめる)のゲーム機を販売した会社。アメリカの企業なので、この少年とは無関係かも知れないけど。

ただ、2つのアタリには共通点もあります。それは、新たな風を呼び込んだところ。ロム式のゲームと同じように、少年アタリは、危険な目に遭いながらも、犬と人間の関係性を更新していきます。

命がけで自分の犬を助けに来たりね。ブラック企業の上司だったら、「は?お前死ねよ」で終わりですよ。彼が犬のことをどう思っているかがよくわかります。

そんな彼を、島の犬たちが手助けしてくれます。自分たちのためには、冒険しないけど、誰かのためになら冒険しようと思える犬たちがステキ。人の役に立つのって嬉しいよね。

正しい選択は、悪役にもできる。

そんなこんなで小林アタリは、5匹の犬たちをはじめとした優しい犬たちによって、困難を乗り越えながら、愛犬スポッツを発見。しかし、そこで養父である小林市長の思惑を知りブチ切れ。犬たちの無実を晴らすべく、犬たちと共にメガ崎市に乗り込むことに。

余談だけど、犬たち賢すぎるでしょ。船の設計図こそアタリ作だけど、作ったのほとんど犬じゃん。まぁそれだけ、犬が無抵抗だったということだけど。

そんなこんなで、無事メガ崎市へ。小林市長に反抗する高校生たちとともに、演説会場へ突入するのであります。そこで、アタリの感動的なスピーチとともに、感染病が治る薬を使って、犬たちの無実?を晴らします。

ただ、幕引きは結構意外だった。それは、悪役である小林市長の最後の選択肢がご先祖様とは大分異なったから。ご先祖様は養子に首をはねられたのに対して、小林市長は自ら引くことを最終的に選ぶんですよ。

歴史を(良い方向に)変えるのって、英雄だけだと思いがちだけど、悪いやつが変える可能性もあるんだよね。これって、かなり優しい目線だと思いました。正しい選択はいつだってできるっていうね。

結果アタリが市長になったのは笑ったけど。

【映画感想】『レディ・プレイヤー1』【※ネタバレ含みます!】

スティーブン・スピルバーグ監督最新作、観てきました!
スクリーンを駆け巡る、デロリアンに、ガンダムに、メカゴジラに感動!
そして、最後は切なすぎるメッセージに「ウッ」とハートを一突きされました・・・。

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